夜明けの仲間たち

 燈火類のLED化で配線の消費電力もリデュースされて、軽乗用車でもダイナモの容量や燃費の悪化を気にせずデコトラ化できるね~
 被視認性を向上させるためという目的で自家用車にデイライトを取り付け、夜暗い駐車場などで眺めてみると思いの外雰囲気が変わって見えた。。なので、もっともっとと灯火を加えたくなる衝動が湧き上がってくるのはわかる気がする。

 と同時に子供の頃街道で見たデコトラを思い出していた。
 当時の灯火はすべて白熱電球で盛り場の看板のように大量の電球で派手な飾り方をすると配線の量も相当な量になって重いし切れるし、消費電力はかなり大きくなるのでエンジンに発電機(ダイナモ)を増設しないと対応できなかったようだ。もちろんそれは走行用エンジンの動力を拝借するので燃費の悪化も避けられない。取り付けのための架台や灯具自体の重さも相当なものだ。ダートの国道も少なくなかった頃だし美しく見せるために洗車も頻繁だっただろう。
 

 そこまでしてどうして飾らなければいけなかったか。
70年台当時はまだ深夜走行する自動車も少なく、峠道も暗く狭くすれ違いも困難な道路がかなりあったと聞いている。そんな環境で孤独に荷物を運ぶトラック野郎には精神的にも実用的にも水先案内人となるトナカイの真っ赤な鼻が必要だったに違いない。
 過去、70年台に現役だったトラック運転手から聞いた話では、日が暮れて峠に差し掛かり、遠くにヘッドライトの光がチラと見えると最寄りの待避所へ避け一寝入りし対向車の通過を待ったものだそうだ。

 デコトラとはそうやって深夜お互いの距離を測りながら協力して荷物を運ぶ仲間同士のコミュニケーションの一環だったのだろうと感じた。ハンドルに命を預けた一匹狼たちの温かい仲間意識と衣装の競い合い、そう思うと手間と少なくない費用をかけてデコトラを飾っていたのも今になってわかる気がする。

恥骨枕

 ニトリのほうが実用的かも。
生身では恥骨が固くて寝心地悪い。